過敏性腸症候群(IBS)について

過敏性腸症候群(IBS)は、検査では明らかな異常が見つからないにも関わらず、慢性的に腹痛や便通異常(下痢・便秘)を繰り返す疾患です。「大事な会議前にお腹が痛くなる」「通勤電車で急にトイレに行きたくなる」「お腹の調子が悪くて外出が不安」など、QOL(生活の質)を著しく低下させる症状に悩まされます。
うえはらクリニックでは、まず他の疾患がないことを確認した上で、過敏性腸症候群の治療を行います。薬物治療だけでなく、生活習慣の改善やストレス管理も含めてサポートいたします。
過敏性腸症候群の原因
ストレスと自律神経の乱れ
精神的ストレスや緊張により、脳と腸をつなぐ神経系が過敏になります。「脳腸相関」と呼ばれる密接な関係により、心理的な要因が腸の症状として現れます。
腸の知覚過敏
通常なら感じない程度の腸の動きや刺激を、痛みとして感じてしまう状態です。腸管の感受性が高まることで、わずかな変化でも症状が出現します。
腸内細菌叢の乱れ
腸内細菌のバランスが崩れることで、腸の機能が正常に働かなくなります。
生活習慣の影響
不規則な食事、睡眠不足、運動不足などが症状を悪化させます。アルコールやカフェインの過剰摂取も誘因となります。
過敏性腸症候群の症状とタイプ
下痢になるタイプ
緊張やストレスで急に便意を催し、水様便や軟便を繰り返します。朝の通勤時や大事な場面で症状が出やすく、トイレの心配から外出を控えるようになることもあります。
便秘になるタイプ
コロコロした硬い便が特徴で、排便時に強くいきむ必要があります。残便感があり、お腹の張りや不快感を伴います。
共通する症状
- 排便により腹痛が軽快する
- 腹部膨満感・ガスが多い
- 粘液が混じった便
- ストレスで症状が悪化する
このような方はご相談ください
- 長い間、腹痛や便通異常が続いている
- 排便により症状が改善する
- ストレスで症状が悪化する
- 日常生活に支障がある
- 市販薬では改善しない
- 通勤・通学が困難になっている
過敏性腸症候群の検査と診断
問診
症状の詳細、発症時期、ストレス要因、生活習慣などを詳しくお聞きします。
血液検査
炎症反応や貧血の有無を調べ、炎症性腸疾患など他の消化器疾患との判別につなげます。
便検査
便潜血検査により、大腸がんなどの器質的疾患がないことを確認します。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
症状が重い場合や、血便、体重減少などの症状がある場合は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で腸の状態を直接確認します。過敏性腸症候群では内視鏡所見は正常です。
過敏性腸症候群の治療
薬物療法
- 腸の動きを整える薬:下痢をするタイプの方へは腸の動きを抑える薬、便秘になるタイプの方へは腸の動きを促す薬を使用するなど、症状に応じて適切な薬剤を選択します。
- 整腸剤:腸内環境を整え、腸内細菌叢のバランスを改善します。
- 抗不安薬・抗うつ薬:ストレスが強い場合は、少量の抗不安薬や抗うつ薬が症状改善に役立つことがあります。
生活習慣の改善
食事の工夫
- 規則正しい食事時間を守る
- 脂っこいものや刺激物を控える
- 冷たいものを避ける
- よく噛んでゆっくり食べる
生活リズムの改善
- 十分な睡眠時間を確保する
- 朝食後にトイレに行く習慣をつける
- 適度な運動を心がける
ストレス管理
- 趣味や楽しみの時間を作る
- 悩みを一人で抱え込まない
- 必要に応じて心理カウンセリングを受ける
過敏性腸症候群でお悩みの方へ
過敏性腸症候群は器質的には異常はありませんが、実際に腸の症状が出現する疾患です。適切な治療により、多くの方が症状の改善を実感し、充実した日常生活を取り戻しています。
うえはらクリニックでは、まず他の疾患がないことを確認した上で、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療を提案します。薬物治療はもちろん、食事指導やストレス管理のアドバイスも含めて、総合的にサポートいたします。
「お腹の調子が悪くて仕事に集中できない」「外出が不安」といった悩みを抱えている方は、どうぞご相談ください。消化器専門医として、症状の改善とQOL(生活の質)に向けて、一緒に取り組んでまいります。